2011-07-31
神よ
私を何者でもないもののままにしてください
何か・・専門家と呼ばれず
何か・・何々家と呼ばれる事なく
何か・・何々主義者と呼ばれる事なく
何か・・職業も持たないまま
いつまでも何者であるか分からないまま
いつまでも自分さえ分からないまま
だから誰からも理解される事のないまま
人間であることも忘れられ
生き物である事も忘れられ
存在さえもなくなるような
そんな強く、すがすがしいものにしてください
知っている事はたったひとつ
たったひとつの知恵だけ
不幸と幸せを区別せず
光と影を区別せず
個性ももたず、我もなく
生きている事すら忘れていて
存在さえも忘れている
そんな弱く、限りないものにしてください
きっとあなたからも離れて
存在のない存在として
限りなくたゆとうていくだけ
あ/み
編集長の蛇足
ちょっと分かりにくいかも知れません。この詩・・・というより願いの言葉で言おうとしている事は、あらゆる不幸や憎しみの原因から逃れたいと言う事なのでしょう。
人が不幸になるのは、運命に見えて実は大抵自ら不幸になる原因をつくっている。
幸福になろうとするから、不幸を怖がり、かえって不幸せとなっていく。
自分とは何かを探そうなどとして、自分づくりが苦しみの原因となっていく。
神や思想や信念が、どれほど人を不幸にして、周囲を苦しませるか。
知識を重ねて、重ねるほど、おしゃべりが増えるだけで、本当に語る事ができなくなる。
無・・・ですら、「無」という思想になってしまい、無ですらなくなる。
何々の専門家となると自己保存が始まり、知恵は遠ざかっていく。
何かすがすがしい、何者でもない、存在すら分からないようなそんなものに憧れた作者の心情の吐露の詩なのでしょう。
解説 編集長 森谷
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